活動報告

Activity Report

2017.4.10 UP

活動報告

周南市をクリエイティブな「ひと」と「しごと」が集まる街に

海辺の煙突からは煙が立ちのぼり、煌めくコンビナートや港に訪れる船が夜景を彩る。

県内有数の商店街や観光施設などもあり、隣接する県や市からも人が押し寄せる地方都市。

昭和の時代からそんなイメージの強い周南市ですが、近年はその活気にも陰りが見えてきているのが現状です。

しかし、周南市はいま、未来に向け、大きく生まれ変わろうとしています。

場所や会社に捉われず仕事をこなすようなクリエイターが活躍できる環境、
クリエイティブな「ひと」と「しごと」で溢れたクリエイティブのまちへと。

現在、周南市では「周南市クリエイティブ産業創出プロジェクト」というものが動き出しています。

それは2016年からはじまり、まずは現地のクリエイターや経営者、行政、金融機関、大学などが手を取り合い、どうすれば周南市が「クリエイティブのまち」として地方創生を図っていけるのかについて、研究会を発足し様々な立場からの議論を進めてきました。

周南市には、デザインを本格的に学べる専門学校や、マンガやアニメ、ゲーム、映像などの知的財産を学ぶ「知財開発コース」を有する大学など、クリエイティブ分野を専門的に学べる高等教育機関が充実しています。また、有名なコンテンツのデザイナー等、第一線で活躍するクリエイターを輩出している実績があるなど、「クリエイティブの産業の創出」を掲げる地域的な背景がありました。

しかし、研究会にて現実的な課題を掘り起こしてみると、
「仕事の絶対量が多くない」
「都市部の案件と比べて単価が低い」
など、クリエイティブの分野で活性化を図っていくには、地方ならではの課題が見えてきたのです。

そこで、
現地クリエイターへのヒアリングや調査で浮かび上がってきた平均値より比較的単価の高い都市部の「しごと」を周南市に集めてくることで活性化に繋げることはできないか。
というソリューションについての議論を深めていき、
東京でクリエイティブ案件を多数抱えている企業経営者らの協力のもと、都市部での営業活動を地元民間主体の法人が担ってプロモートしていくという構想が生まれました。

その後、より多くの人にこのプロトタイプの構想を知っていただくことでブラッシュアップを図り、広く協力者を募っていくために、
東京・京都において「周南市クリエイティブ産業創出セミナー」を行いました。(2016年11月13日・20日)

周南市から遠く離れ、所縁のない開催地にもかかわらず、両会場で約100名もの方にご参加いただきました。
参加者は、地方での働き方に興味のある都市部のクリエイター、クリエイティブ案件の受発注に関心のある会社経営者やビジネスマン、いまは都会で生活する周南市出身者、地方創生に興味を持つ大学生などと多岐にわたり、研究会では議論しきれなかった切り口からも新たな目標や課題を発見するきっかけとなりました。

その最たる一つが「ひと」のコミュニティ化です。
周南市で活躍するクリエイター一人ひとりの「顔」を知り、最適な需給のマッチングや技術協力や切磋琢磨できる関係性づくり、クリエイターにとって居心地のいい環境づくり。
こうしたことを実現すべく、前述の構想に新たな事業内容(目標)が加えられました。

大阪市の「メビック扇町」という施設をご存知でしょうか?
「メビック扇町」は、関西において1000人を超えるクリエイターが集い、日本でも先進的にクリエイター支援に取り組んでこられた施設です。

京都セミナーでは、その「メビック扇町」で所長を務めておられる堂野智史さんにパネラーとしてご登壇いただき、「顔の見えるコミュニティ化」の必要性をご提言いただきました。

「しごと」の支援だけではダメだ!
「ひと」のコミュニティが生まれて初めてクリエイティブ産業は有機的に動いていくんだ!周南市のどこで、誰が、何が得意で、どんなことを目指し仕事に取り組んでいるか知らずにクリエイティブ産業の発展は望めない!

ビジネスマッチングやスキルアップ機会の提供はもちろん、「顔の見えるコミュニティづくり」のコンセプトを提唱し、10年以上にもわたり第一線でクリエイター支援に尽力されてきたご経験に裏付けされたそんな言葉は、会場の熱や空気を一気にさらっていく重みと説得力に溢れたものでした。

こうした研究会やセミナーを通じて得た集合知として、
『クリエイティブな「ひと」と「しごと」で溢れたクリエイティブの街へ』という、
「ひと」「しごと」にフォーカスした現在の事業コンセプトに至っています。

2017年2月には、東京・京都のセミナーにご参加いただいたことをきっかけに、
ぜひ周南市に足を運んでみたいと言っていただけた方々を中心に、スタディツアーを開催しました。

関東・関西からご参加いただいたほぼすべての方にとって、初めて周南市を訪れるきっかけとなり、木村健一郎市長との会談をはじめ、前述の「知財開発コース」を備えた大学やサテライトオフィスの視察、現在周南市における活性化に取り組まれている事業者様との意見交換などを通じて、プロジェクト並びにクリエイティブ産業の発展にご協力いただくことの可能性を探っていただきました。

そして今、プロジェクト実現のため最初の取り組みとして、周南市のクリエイター一人ひとりにお会いして、まずは互いの「顔」を知り合うところからのコミュニケーションを始めているところです。

プロジェクトは周南市のクリエイターさんたちにとって有益であること、
そして周南市の産業に新たな活路を見出し地方創生に寄与していけるものであること、
それがプロジェクトに課せられる使命だと考えています。

事業の具体化と発展に向けてこれから活発に動いていきますが、
地元クリエイターの方との繋がりを大切にした地元目線のプロジェクトとして周南市に貢献していくことをお約束します。

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