クリエイター紹介

2017.12.26 UP

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クリエイターインタビューvol.9【齊藤寛和さん】

周南市のクリエイターへのインタビュー連載第9回目は、「node(ノード)」代表の齊藤寛和さん。Webデザインのお仕事を行う傍ら、「デジタルアート」というコンピュータのデジタル技術を用いたアート作品の制作活動も行っておられます。デジタルアートを始められたきっかけや作品に対する思い、これからチャレンジしていきたいことなどについてお聞きしました。

ーー今まではどんなお仕事をされてきましたか?
Webデザインを中心に行ってきて、ゲーム会社で開発をしていたこともありました。元々はグラフィックデザインの仕事をしていたんですが、2004年ぐらいにブログブームが到来しました。CMSが出てきたころですね。そのとき「これからはWebだな」と仕事になる予感がしたので勉強しはじめ、Webデザインの仕事をするようになりました。新しい技術に追いつくと皆に喜んでもらえるんだ、という実感を持つようになりましたね。
一通りWebデザインをしてからは、よりデザイナーとしてステップアップしたいと思うようになり、プログラミング技術を鍛えるためにプログラマーがいる山口市の会社に転職しました。そこではヒアリング・ディレクション・デザイン・プログラミングなど全部経験しました。5年半ほどそこで働いたんですが、自分の力を試してみたいと思うようになり、独立してやってみよう、と思い立ちました。
それからはゲーム会社で開発をさせてもらう傍ら、個人でもデザインの仕事を兼業してやるようになりました。

ーーデジタルアートを始めたきっかけはなんでしたか?
ゲーム開発の際とデジタルアートをつくる際のツールが、Unityという共通の開発ツールだったのがきっかけですね。ゲーム会社と兼業していた時代は、個人でやっていたデザインの仕事で人脈が広がり、仕事を紹介していただいたりYICキャリアデザイン専門学校の講師のお誘いがあったりと、有り難いことになんとかなっていました。ただ逆になかなかやりたかったゲーム開発は進んでおらず、そのときにデジタルアートを知って興味を持ちました。同じ言語ならつくってみよう、これを仕事にしてみよう、と創業セミナーに通いながらデジタルアート事業の創業準備を始めました。
ただ2年ほど前になりますが、当時はデジタルアートがあまり知られておらず、分かってもらうのが大変でした。それから「teamLab (チームラボ)」が山口に来るようになり、彼らの作品のお陰でデジタルアート自体が一般的な人にも広まっていって、私のやりたいことも「あーあれね!」と理解してもらえるようになりました。

ーー今はどんな作品をつくられていますか?
最近発表したのは、ビニールプールに白いボールを敷き詰め、それに映像を投射する『ふしぎのビーチでたからさがし』という作品です。子どもたちが持っているトレイに反応して、宝箱が開いたり、魚が集まったりという遊びができる映像作品です。屋外イベントなどへ持っていって、子ども向けに遊んでもらう機会を増やしています。
今はWebデザインとデジタルアートで半々ぐらいで仕事をしています。一作品つくるのになかなかの時間とお金がかかるので、一度つくった作品を色んなところに巡回していって、多くの人に見て体験してもらう過程で収益につながっていけばと思っています。
まだまだ「デジタルアートを使うことで売上・収益につながる!」と思ってくれる企業や、「デジタルアートって面白い!」と感じてもらえる一般の人が少ないとも感じるので、増やしていきたいですね。
同時にこういったデジタルアートを仕事にしている人は山口県内にあまりいないんですが、徳山高専の学生がデジタルアート作品をつくってNHKに取材されていたりもしているので、作り手側ともコラボしていきたいと思っています。



ーー周南市でのクリエイターのネットワーク化の取組みにはどんなことを期待されていますか?

普段出会えない人たちと話ができているのが嬉しいですね。また、ずっと一人で考えていたことにすごく反応してくれたりするのが新鮮で、出会うことで新しい可能性が生まれていると実感してます。現在は研究会というクリエイターの人たちが集まる場所を市役所が提供してくれていますが、どうやって自分たちで自主的に集まる場所づくりを継続できていくか、が大事だと思います。
そのために、実際にクリエイターの力を合わせた実例・実績をつくってみたり、色んなクリエイターの人たちに「新しいものを作れるチャンスが私にもあるんだ!」という期待感をもち続けられるような取り組みをしていければと考えています。

PROFILE
齊藤 寛和(サイトウ ヒロカズ)
node 代表。
2004年頃から独学でウェブデザインを始める。
ウェブ制作会社を数社渡り歩き、2013年よりフリーランスとして活動。
Jリーグクラブ「レノファ山口」のエンブレムデザインに応募して採用される。
その後、ゲームアプリ開発に携わったことでプログラミングの楽しさを知り、
センサーやプロジェクションマッピングを組み合わせたデジタルアトラクションを制作。
現在では、ウェブデザイン、アプリ開発、デジタルアトラクションの制作・貸出などを
主な業務として取り組んでいる。

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