クリエイター紹介

2018.10.12 UP

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クリエイターインタビューvol.14【武居啓臣さん】

周南市のクリエイターへのインタビュー連載14回目は、「有限会社ユークリッドシステム」の武居啓臣(たけいひろおみ)さんです。
これまで様々な職業をご経験されながらも、巡り合った仲間と共に現会社を立ち上げられた武居さんに、どのようにお仕事を発展させてきたかの秘訣や周南市の今後についてのご意見を伺いました。

――有限会社ユークリッドシステムという会社を立ち上げられるまでの経緯を教えてください。

京都の立命館大学を卒業し徳山(現周南市)にUターン就職しました。石油・ガス機器会社など職業を転々としてきましたが、最後に就職した会社で設計の際コンピューターを扱う業務に就くようになり、エンジニアとしてプログラミングを学ぶことになりました。
エンジニアの仕事は奥が深く興味をもって取り組むことができましたが、同時に激務が続き「自分の裁量で自由に仕事がしたい」という思いが強くなりました。

そうして今から14年前、エンジニア仲間4名と会社を起こしたというのが始まりでした。
起業してからは労働環境の向上という当初の目標は果たせましたが、当然ながら責任の重さは前以上です。いろんなことはありましたが、仕事の進め方でも揉めることもなく、いつもフランクな繋がりでともにやってこられた仲間たちには本当に感謝しています。
いかにも「会社」という形ではなく、仲間とともに上下関係もなく仲良くやってこられたことが長続きしている秘訣かもしれません。

――どのようなお仕事をされてこられたのか、またお仕事をするうえで大切にされていることはどういったことでしょうか?

自治体やメーカーからの仕事が多く、最近では税金や社会保険、固定資産税の法改正に対応するシステム改修などを数多く手掛けてきました。
最近では企業からの直受けの仕事や他の同業者からの紹介も増えてきて、工場がスムーズに生産や流通管理を行っていけるようなシステム構築のお仕事も多いですね。

我々エンジニアはただプログラミングをしていると思われがちですが、お客様から「いかに悩みやニーズを聞き出すか」といった対面での人間関係のところが本質的に大事になってきます。聞き出したものを、使う側のお客様のことを考えながら形にしていく仕事ですから、その業界にも精通していなければなりませんので勉強もします。何より仕事の肝になる部分を聞き出すためのコミュニケーションには人一倍気を遣ってきたつもりです。

立ち上げ当初は「有限会社」ということで信用を得ることに苦労もありましたが、長年そういったことを大切に継続してきた結果、今となってはクライアントからも信用・信頼を持ってお付き合いいただけていると感じられるようになりました。

――現在まで従事されてきたシステムエンジニアの業界として課題に感じておられていることはありますか?

既存のシステム改修や法改正に対応していくことが主な仕事になっていますが、大手を中心にそれらをパッケージ化して商品化してきているので、小さなシステム会社が手掛けられるところが少なくなっていっているように思います。
大手の地元企業は自社でシステム部を持っているところが多いですので、私たちにとっては中小企業が盛り上がっていくことで仕事のチャンスは拡がっていきます。
規模が小さなシステム開発系の事業者としては、何かしらの強みを持ち分野に特化していくことで、地元の中小企業にとって細かなニーズも拾っていけるパートナーとして活躍でいる可能性も感じています。

また、業務に関わる多くをシステムで管理していく今の時代、コンピューターがあれば万能かと言えばそうでもないと思っています。
人口推移をみても都市部への集中が続いており、必然的に仕事もそこに集中しています。
そこに自然災害があったらどうするのか…近年の災害頻度も鑑みると、コンピューターがダウンして仕事がストップしてしまう可能性も十分に予測できることです。
システム業界だけでなく全体に言えることですが、テレワークなどの新しい働き方や災害リスク分散の方法も生まれてきていますので、仕事の在り方や形態も今後は大切な着眼点になると考えています。

――周南市に対する想いやプロジェクトに期待することをお聞かせください。

周南市で生まれ育ってきた立場からすると今は少し寂しく思っています。
私が幼い頃は空き地も多かったですが、それでも徳山(現周南市)というと都会というイメージで、市外・県外からもたくさんの人が集まってきて賑わっていました。
生まれてから63年間、地元の発展も衰退もずっと見てきましたが、周南市に限らず今は日本全体の地方が同じような状態なのかもしれません。

例えば、人を呼び込むために観光産業に力をいれている街が多いようですが、次の「何か」を見いだせていないことが問題だと思っています。
人が増えリピーターが増えるためにはどういった取り組みが必要なのか、その本質を考え継続的に推し進めていくことが一番のポイントになるでしょう。

このプロジェクトにも継続性を持って進めてもらいたいですし、常に次のことを見据えたものになり、これから周南市らしさを発揮していくためのきっかけになることを願っています。

PROFILE
武居 啓臣(たけい ひろおみ)
有限会社ユークリッドシステム エンジニア。
1954年生まれ。立命館大学 理工学部 数学物理学科卒。システム会社勤務を経て、2000年にユークリッドシステム設立。地方公共団体の税システムに長く関わる一方で、プラント設計関連のシステム構築に携わる等、仕事を限定しない方針を貫いている。趣味の登山は「適当に登る」が基本方針。

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